エンジンオーバーホール
2018年10月21日
S15のノーマルタービン。長年使っての軸ガタからの異音、ブーストも上がらずの症状です。
GT2860 SILVIAスタイルに変更。俗に言う2530同等です。ノーマルプラスプラスの出力でOKなのでこのサイズに決定しました。勾配があり道幅も狭くロングのコースが主戦、ベルヌーイEXマニとノーマルで使い良かったとの事で出来る限りそれに近くワンランクアップも考慮しました。
EXハウジングはほぼ同じ。上がノーマル、下が2860。2860はハウジングいっぱいに近いサイズのタービンホイール、大きいと先程のノーマルに近づけるのが不利と思います、ですが排気の流れでは上を行くと考えます。
2018年10月19日
SR22のエンジン不調から。加給が掛かると冷却水が噴き出してしまう分かりやすい症状です。ですが、SR22でラッシュキラーだったりエンジン本体手が入ってる状態。ここは単にヘッドガスケット抜けと決めるでなく、用心から各部を点検しながら分解です。
エンジンを降ろす前に圧縮圧力、シリンダーリークテストなどを行います
黒ゲージ10Kに対してオレンジゲージが何%ダウンかを表示します。各気筒は一応OKのリークレベルですが、ラジエターキャップ部にタンクを載せていると長い間隔で気泡が少し上がって来ます。俗に言うガスケット抜けの症状です。
おおよそヘッド面研もしくはブロック面研でヘッドガスケット交換にですが、そこで面研、面研してもまた直ぐ抜けるとか希に聞きますが精度がとか言っていますが、その加工屋さんの機械だったり熟練度だったりでも違い、刃物も一本刃かフルバックならフルバックで切削上がりは虹色ピカピカか刃物目若干ありなら刃物目ありが良いです。純正の様な刃物目があれば良いのですが難しい様です。一本刃で虹色ピカピカはあまりって感じです。
10キロ程度の圧力で泡で出るよなのでエンジンが動いてる状態で考えれば当然の症状とも言えました。
抜けに対してはやはり様々な要因があるので分解しながら確認は必要になっていきます。
2018年07月02日
2018年06月24日
2018年03月07日
同じくクランクメタルです。背面部は脱脂しながら表面のコーティングを取り除くとポリッシュのようになりますが脱脂剤で丁寧に拭き上げました。あまり背面は拘らないのでこのくらいです。
簡単に拭き上げてから2段階目の洗浄です。今度は金属の油分を限りなく0にする薬品で完全脱脂していきます。こうする事でブロックに収めて接触する部分の滑りがなくなりメタルブローを下げられる要因につながります。指を浸けると指先の油分はあっさりとなくなってしまします。そんな劇薬です。メインベアリング部も先程の劇薬を使いキッチリと完全脱脂状態を作りあげます。磨いたような光になりますが、完全脱脂状態が進むとおのずと光沢が出てきます。この作業をしながら谷間の水平ラインを簡単に点検をしておきます。
完全脱脂状態のメタルを完全脱脂状態にしたメインベアリング部に皮脂が付着しない様に入れていきます。クランクキャップ側も同じ手順で進みます。やはり同じ様に谷間の水平ラインを点検しておきます。
クランクシャフトもジャーナル部分を磨きます。なめらかに滑る様に廻すために行っていきます。
クランクシャフトをブロックに納めます。この時にクランクシャフトを絶対の水平と仮定してNO1からNO7まであるメインベアリング部の高さを検討していきます。再度ラインボーリングなど行えばよいのですがクランクに合わせてラインボーリングはできないので、クランクに合わせてメインベアリング部の高さを変えクランクシャフトを絶対水平的に使える様にします。この時にクリアランスの変化が出てしますので、クリアランスと仮想水平が成り立つように入念に調整していきます。クランクキャップ側も同様に行い、クランクシャフトに対しての水平の穴の並びを作ります。それが完成したらオイルをたっぷりとメインベアリングに塗りクランクキャップボルトをゆっくりとねじ山の異常がないか確認しながら丁寧に規定トルクで締め付けます。締めつけ後に芯ずれがないか、フローティング状態に入ったかを確認します。どうしても組付けペーストの非流動ではフローティングの確認ができないので使用はしません。
その様に組付けたクランクを指先で軽く回るかを点検します。通常は工具などを使い廻しますが、工具の力も入ってしますので本当の意味での芯ずれやフローティングが分かりません。この様に組み付ける事で芯ずれの無くフローティングのクランクシャフト組付けができます。ここでひっかりがある場合は再度前述の手順を踏みなおさなければいけません。ここの段階で熱対策やフリクションロスなどの含まれたエンジンになっていきます
クランクシャフトもジャーナル部分を磨きます。なめらかに滑る様に廻すために行っていきます。
クランクシャフトをブロックに納めます。この時にクランクシャフトを絶対の水平と仮定してNO1からNO7まであるメインベアリング部の高さを検討していきます。再度ラインボーリングなど行えばよいのですがクランクに合わせてラインボーリングはできないので、クランクに合わせてメインベアリング部の高さを変えクランクシャフトを絶対水平的に使える様にします。この時にクリアランスの変化が出てしますので、クリアランスと仮想水平が成り立つように入念に調整していきます。クランクキャップ側も同様に行い、クランクシャフトに対しての水平の穴の並びを作ります。それが完成したらオイルをたっぷりとメインベアリングに塗りクランクキャップボルトをゆっくりとねじ山の異常がないか確認しながら丁寧に規定トルクで締め付けます。締めつけ後に芯ずれがないか、フローティング状態に入ったかを確認します。どうしても組付けペーストの非流動ではフローティングの確認ができないので使用はしません。
その様に組付けたクランクを指先で軽く回るかを点検します。通常は工具などを使い廻しますが、工具の力も入ってしますので本当の意味での芯ずれやフローティングが分かりません。この様に組み付ける事で芯ずれの無くフローティングのクランクシャフト組付けができます。ここでひっかりがある場合は再度前述の手順を踏みなおさなければいけません。ここの段階で熱対策やフリクションロスなどの含まれたエンジンになっていきます
2018年02月28日
大まかに目視点検を行いながら分解し洗浄したエンジンブロックです。油汚れで茶色になっていた内部もブロック自体の色になりました。年月も経っているので洗浄も簡単にはいきませんが数種類の洗浄剤を用いてこの様になりました。
クランクシャフトもキッチリと洗浄します。洗浄後に内燃機加工会社で精密にバランスと曲がり、歪みの測定と修正を行なってもらいます。バランス重量公差は通常より厳しく設定しクランクシャフトの振動軽減に役立てます。曲がりは0.01mm以内に修正し歪みも大変な計測の元に曲がり修正の兼ね合いも考慮し難し修正で歪みとりを行っていきます。
クランクシャフトもキッチリと洗浄します。洗浄後に内燃機加工会社で精密にバランスと曲がり、歪みの測定と修正を行なってもらいます。バランス重量公差は通常より厳しく設定しクランクシャフトの振動軽減に役立てます。曲がりは0.01mm以内に修正し歪みも大変な計測の元に曲がり修正の兼ね合いも考慮し難し修正で歪みとりを行っていきます。
バランス、曲がり、歪みなどの加工修正が終わったクランクシャフトをマイクロメーター(Uの字の物)と呼ばれる計測器とボアゲージ(長細く上に丸がついてる物)と呼ばれる計測器を使い、一般的に言われる精密組付けなるものを行っていきます。
測定始まりの前に確認の為に曲がりなどを納品後チェックを行います。問題はないのですがゲージを使うついでに気を引き締める為に点検します。
マイクロメーターを使い各ジャーナルを測定していきます。アナログですが1/1000まで刻み割りすると読めるので1/1000まで数値化します。その時に金属の測定温度は20°とありますが金属を製品で見た温度と考えて20°には拘らず温度によってSCM系ならこう膨張していく理論的なグラフを使って現時点の温度から検討していきます。また、湿度も重要なファクターになったりもします。
クランクジャーナルの測定が終わった後にメインベアリングボアをこの様に計測して行きます。RBは6気筒で国産エンジンでは長い部類になりボアゲージを上手く使わないと#3#4の測定が難しくなります。このボアからクランクシャフトジャーナルの外形寸法を引き算しそこから狙いたいクリアランスの数字を引き算すると使わなければならないメタル厚みが算出されます。狙いたいクリアランスは0.045にしました。
コンロッドベアリングボアをボアゲージを使い測定します。これもボアからジャーナルを引いてクリアランスを引けば使わなければならないメタル厚みが算出できます。狙いたいクリアランスは0.05です。こちらも当然に温度と湿度の補正を入れています。
コンロッド&ピストンの重量を簡単な感じで測定します。ASSY重量になります。細かく分ける場合もありますが今回はASSYです。6個の重量差を0.5グラム以内とし修正して重量を揃えています。
ピストン径の測定をマイクロメーターを使い行います。ほぼ基準通りの数値です。使用するピストンによってトップから何㎜の所、スカートから何㎜の所などと指定があります。ピストン自体は丸に見えますが丸ではないので最大に大きくなっている部分を測定する意味で指定箇所があります。余談ですが純正などは回転方向とは逆にピストンピンがオフセットされている物などもあります。ライフを考えての作りと思います。
シリンダーボアの計測です。これもボアからピストン外形を引き算してクリアランスを算出します。傷などがなければ再度、最小ホーニングでクロスハッチを作ります。その時にクリアランスの変化に気を配って行います。
測定始まりの前に確認の為に曲がりなどを納品後チェックを行います。問題はないのですがゲージを使うついでに気を引き締める為に点検します。
マイクロメーターを使い各ジャーナルを測定していきます。アナログですが1/1000まで刻み割りすると読めるので1/1000まで数値化します。その時に金属の測定温度は20°とありますが金属を製品で見た温度と考えて20°には拘らず温度によってSCM系ならこう膨張していく理論的なグラフを使って現時点の温度から検討していきます。また、湿度も重要なファクターになったりもします。
クランクジャーナルの測定が終わった後にメインベアリングボアをこの様に計測して行きます。RBは6気筒で国産エンジンでは長い部類になりボアゲージを上手く使わないと#3#4の測定が難しくなります。このボアからクランクシャフトジャーナルの外形寸法を引き算しそこから狙いたいクリアランスの数字を引き算すると使わなければならないメタル厚みが算出されます。狙いたいクリアランスは0.045にしました。
コンロッドベアリングボアをボアゲージを使い測定します。これもボアからジャーナルを引いてクリアランスを引けば使わなければならないメタル厚みが算出できます。狙いたいクリアランスは0.05です。こちらも当然に温度と湿度の補正を入れています。
コンロッド&ピストンの重量を簡単な感じで測定します。ASSY重量になります。細かく分ける場合もありますが今回はASSYです。6個の重量差を0.5グラム以内とし修正して重量を揃えています。
ピストン径の測定をマイクロメーターを使い行います。ほぼ基準通りの数値です。使用するピストンによってトップから何㎜の所、スカートから何㎜の所などと指定があります。ピストン自体は丸に見えますが丸ではないので最大に大きくなっている部分を測定する意味で指定箇所があります。余談ですが純正などは回転方向とは逆にピストンピンがオフセットされている物などもあります。ライフを考えての作りと思います。
シリンダーボアの計測です。これもボアからピストン外形を引き算してクリアランスを算出します。傷などがなければ再度、最小ホーニングでクロスハッチを作ります。その時にクリアランスの変化に気を配って行います。
2018年01月23日
R32、GTR。年月も過ぎて名車&名機再生の状態になり、名車を長く楽しむためのレストレーションと簡単なチューニングを作業していきます。
名機と呼ばれるRB26DETT、ほぼノーマルの状態でエアクリーナーが変更されているくらいの外観です。コンディションは年数にしては良い方な個体です。
ミッションを降ろした状態です。リヤーから見てもクランクシールの漏れも確認はできません。ですが年数もたってシールの硬化が始まりオイルもれの原因につながるので当然交換をします。液体ガスケットなどを見ても分解はされていない状態で、分解などの作業が入っているとガスケットの色が違う色になっています。その作業を行ったところが使うガスケットの色になってしまうからです。色で言うとベンガラ色はよく見ますが大抵キッチリと修理ができていないパターンが多いです。
エンジンを降ろしました。それからエンジンスタンドと呼ばれる道具にセットします。これでエンジン単体の分解作業が楽になります。エンジン自体が360°回転して任意のところで固定が可能な道具です。
名機と呼ばれるRB26DETT、ほぼノーマルの状態でエアクリーナーが変更されているくらいの外観です。コンディションは年数にしては良い方な個体です。
ミッションを降ろした状態です。リヤーから見てもクランクシールの漏れも確認はできません。ですが年数もたってシールの硬化が始まりオイルもれの原因につながるので当然交換をします。液体ガスケットなどを見ても分解はされていない状態で、分解などの作業が入っているとガスケットの色が違う色になっています。その作業を行ったところが使うガスケットの色になってしまうからです。色で言うとベンガラ色はよく見ますが大抵キッチリと修理ができていないパターンが多いです。
エンジンを降ろしました。それからエンジンスタンドと呼ばれる道具にセットします。これでエンジン単体の分解作業が楽になります。エンジン自体が360°回転して任意のところで固定が可能な道具です。
正面からです。画像の左、中央部に先程のベンガラ色があります。これはラジエターのアッパーホースが接続される部分で、おそらく冷却水が漏れるか滲むかでベンガラを塗ってホースを接続してホースバンドを締めると漏れが止まる修理をした形跡だと思います。
ロッカーカバー、タイミングベルト、ウォーターポンプを分解しました。ロッカーカバーパッキンも修理した形跡のベンガラがいます。ですがロッカーパッキンも交換をするので問題はありません。この状態でカムシャフトや冷却水の通路を目視で点検します。カムシャフト廻りは問題もありません。冷却水通路は若干の錆がありましたが大きな問題を起こすレベルではありませんでした。
インジェクターのカプラーです。インジェクターは燃料を噴射するための物で中にマグネットコイルがあり電気が流れると磁力を発生しフタになっているボールが動き燃料を噴射します。ボールの作動時間はものすごく短くmsecの単位で動きます。その電気を流す為のカプラーですが、年数がたつと自然に割れていたり、ロックをしているピンを外す時に割れてしまったりするので慎重に割れない様に作業します。割れた状態で使用すると作動不良を起こしエンジンの不調にもつながっていきます。小さな部品ですがかなり大事な部品です。
黄色の四角い部分に先程のカプラーが刺さります。四角の中に見えるピンが二つは電極です。若干インジェクターが湿っぽい感じがあります。分解時にOリングとインシュレーターを交換するので、組み上がりが終わりエンジンが始動したら再度点検を行ないたい部分です。RB26のインジェクターは比較的に脱着が簡単なのでその様に判断します。
エキゾーストポートです。奥の方にグレイな感じで見える物がEXバルブです。エキゾーストポートの中は黒ずんでいます。黒いのはカーボンです、燃料の燃えカスです、これは洗浄して落とします。黒い状態では金属の構成部品の点検ができないので。白煙を出るような物はバルブにオイルが付着している事もあります。この個体はありませんでしたが、白煙がでてしまう様ですとステムシールやバルブガイドの摩耗が考えられます。この様な感じで分解し目視点検を行ない修理後などがあればそこから推測し現状を把握して組み立てに役立てていきます。
ロッカーカバー、タイミングベルト、ウォーターポンプを分解しました。ロッカーカバーパッキンも修理した形跡のベンガラがいます。ですがロッカーパッキンも交換をするので問題はありません。この状態でカムシャフトや冷却水の通路を目視で点検します。カムシャフト廻りは問題もありません。冷却水通路は若干の錆がありましたが大きな問題を起こすレベルではありませんでした。
インジェクターのカプラーです。インジェクターは燃料を噴射するための物で中にマグネットコイルがあり電気が流れると磁力を発生しフタになっているボールが動き燃料を噴射します。ボールの作動時間はものすごく短くmsecの単位で動きます。その電気を流す為のカプラーですが、年数がたつと自然に割れていたり、ロックをしているピンを外す時に割れてしまったりするので慎重に割れない様に作業します。割れた状態で使用すると作動不良を起こしエンジンの不調にもつながっていきます。小さな部品ですがかなり大事な部品です。
黄色の四角い部分に先程のカプラーが刺さります。四角の中に見えるピンが二つは電極です。若干インジェクターが湿っぽい感じがあります。分解時にOリングとインシュレーターを交換するので、組み上がりが終わりエンジンが始動したら再度点検を行ないたい部分です。RB26のインジェクターは比較的に脱着が簡単なのでその様に判断します。
エキゾーストポートです。奥の方にグレイな感じで見える物がEXバルブです。エキゾーストポートの中は黒ずんでいます。黒いのはカーボンです、燃料の燃えカスです、これは洗浄して落とします。黒い状態では金属の構成部品の点検ができないので。白煙を出るような物はバルブにオイルが付着している事もあります。この個体はありませんでしたが、白煙がでてしまう様ですとステムシールやバルブガイドの摩耗が考えられます。この様な感じで分解し目視点検を行ない修理後などがあればそこから推測し現状を把握して組み立てに役立てていきます。